前回までは、観察照明における光源を中心に説明してきましたが、今回は、色のビジュアル評価をする際の観察環境に全般に関しての注意点を説明します。
 
まず、観察環境の周辺色について、ライティングブースを使用する場合、その壁の色は明るめの無彩色グレーでマットなものを使用します。
通常はL*が50-70程度の明るさで、C*が≦4程度の彩度、光沢度は≦2グロスユニット60°が推奨されます。
このような周辺色により、照明からの直接光と周辺(壁)からの間接光がミックスした観察環境となります。
(ASTM - D1729「standard for Visual Appraisal of Colors and Color Differences of Diffusely-Illuminated opaque Materials」では周辺の壁の色としてマンセルN7を推奨しています。)
一般的なサンプルの観察にはこのようなグレー周辺色が使用されますが、超高光沢のサンプルを評価する場合ば、周辺色の反射が強く視覚評価に影響するようになるため、黒い周辺色が推奨されます。例えば、黒のベルベットを壁に装着したりして観察します。
 
サンプルの背景色(ライティングブースでは床の色)はL*50程度の中間色グレーを使用します。
 
基準色とサンプル色を比較する場合、メタメリズムの確認のためにいくつか異なるタイプの照明を使用します。
このような評価を実施するため、ライティングブースにはタイプの異なる複数の照明を使用します。
例えば短波長成分の強いD65 昼光常用光源(デイライトシミュレータ)を第1照明とする場合は、メタメリズム確認用には第2照明として、長波長成分の大きいA光源などを使用します。
メタメリズム確認の際に重要なのは、照明タイプを切り替えてすぐに評価しないことです。
すぐに評価すると新しい照明に視覚の色順応が完了していない状態で評価をすることになるからです。
このため、新しい照明に順応するまで30秒(できれば60秒)以上は周辺のグレーの壁を見てから基準色とサンプルの評価をおこなうようにします。
 
また、サンプル色の評価には時間をかけ過ぎてはいけません。視覚は同じ刺激に一定の時間曝され続けると、その色の刺激に対して視覚の感度を変化させてしてしまうためです。
そのため、30秒程サンプル色を見たら、一度、周辺の無彩色に目を戻す必要があります。
 
観察の際には照明と観察のポジションにも気を付けましょう。
下図のようにサンプルの真上から照明する場合は、45°の角度から観察します。
また、45°から照明する場合は、サンプルの真上から観察するように観察のポジショニングをおこないます。
 
観察環境に全般に関しての注意点01
 
それから、基準色とサンプルの配置も重要です。基準色とサンプルは同じ方向に配置し、エッジが接触している必要があります。
また、小さな色の差を判定する場合、下図のようなビジュアル評価用の色差限界を表す限度見本チャートを使用します。
(このような限度見本を作成したい場合は、弊社までご相談ください。)
 
観察環境に全般に関しての注意点-2
 

その他の注意事項として:

観察者は、サンプルを評価する際に、明るい色の服を着用してはいけません。
観察者はカラーコンタクトやサングラスを着用してはいけません。
観察ブースの周辺光が観察ブース内に影響しないように注意します。(暗くするか、遮蔽カーテンなどを使用します。)
ライティングブース内に色比較の基準色とサンプル以外は置かない
 
以下は、非常に悪いライティングブースの使用例を表すものです。
 
非常に悪いライティングブースの使用例
 
また、色評価の観察者は、FM100により色判定能力の適正チェックを実施しておくようにしてください。
(FM100は観測者の色判定能力をチェックするためのツールです。)
 
FM100は観測者の色判定能力をチェック

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