前回の説明にあるように、高い演色評価数が必ずしも照明選択の決め手になるわけではありません。
基準の光(リファレンス)が昼光(デイライト)のD50、D55、D65、D75の場合には、条件等色指数を使用することで演色評価数を補う照明評価が可能になります。

条件等色指数は、ISO23603で定義され、照明分光分布がいかに基準の光に一致しているかを評価します。
評価は可視光部を評価したいわゆるMIvis(可視条件等色指数)と紫外光部を評価したMIuv(蛍光条件等色指数)に分かれます。

可視光部の評価では、最初に、照明光の色度座標が基準の光の色度座標からCIE1976 10°視野均等座標(u,v)で0.015以内に入っていなければなりません。
次に、5つの分光分布対が数値的に定義された条件等色対の数値サンプルを使用します。

D50における例(D65においても同様の手順になりますが、分光分布対の定義がこれらとは異なります。)
下の5つの分光分布対(実線と点線の対)はD50の照明のもとでは同じに見える(ΔE=0)2つの色(条件等色対)になります。
 
照明評価の条件等色指数って何?
 
この5つの条件等色対が評価する照明下でどのように見えるか(色差ΔEがいくつになるか)を評価します。
色差が小さければ小さいほど照明の可視光部の分光分布がD50の理想の分光分布に近いことを意味します。

評価は5つの色差の平均によってグレード分けされます。
 
評価は5つの色差の平均によってグレード分けされます。
 
ISO3664のP1(印刷物のプルーフ比較評価に用いる照明条件)には、
必須:C以上
推奨:B以上
が要求されています。
注意:色差の算出には10°視野の標準観測者およびL*a*b*表色系を使用

一方、紫外部の評価では3組のペアを使用する。
各組では蛍光サンプルと非蛍光サンプルがD50、D55、D65、D75として定義されている。
蛍光サンプルでは放射エネルギー、放射輝度率、励起光率の3つの分光特性が定義されており、ここから蛍光サンプルの使用する照明での分光放射輝度率が求められる。
この分光放射輝度率と対応するペアの非蛍光サンプルの分光反射率(分光放射輝度率)を比較して色差ΔEを求める。
 
蛍光サンプルの算出された分光放射輝度率
蛍光サンプルの算出された分光放射輝度率
対応する非蛍光サンプルの分光放射輝度率
対応する非蛍光サンプルの分光放射輝度率
 
こちらも3つの色差の平均値で照明のMIuv(蛍光条件等色指数)がグレード分けされます。
グレードの区分はMIvisと同じものを使用
ちなみに、ISO3664の要求項目としてはこの色差平均が
必須:1.5以下
推奨:1.0以下
となっています。
 

<印刷評価の照明選びにおいて>

現時点では日本で使用される印刷本紙には蛍光増白剤は多く使用されていないようです。
このため、現時点ではこちらのMIuvはそれほど気にしなくてもよいのかもしれません。
しかしながら、今後印刷本紙に蛍光増白剤が使用され始めると、この蛍光条件等色指数も重要な評価項目になります。
その理由は、プルーフ用紙には蛍光増白剤があまり多く使用されていないため、基準の光D50と使用する照明の蛍光量が異なるとプルーフと本紙のマッチングが取れなくなってしまいます。
蛍光増白剤を多く使用した印刷本紙のビジュアル評価にはMIuvの平均がISO3664を満たしていることを確認してください。

次回は、使用する印刷本紙が蛍光増白剤を多く含んでいるか、含んでいないかをチェックする方法をご紹介します。
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