今回はCCM調色計算で最も基本とされているクベルカ・ムンク理論について
その導出の基本理論を追いかけてみます。
 
一般的に色材の混色は光の混色と異なり、各色材のX,Y,Zの三刺激値に対する加法性が成立しません。
しかしながら、各色材の吸収特性(K)と散乱特性(S)に関しては、加法性が認められることに注目し、この特性から色材の配合を予測に利用するものです。
 
この性質を配合予測に使用するには、K、Sと反射率Rの関係性を求めることが必要になります。
ここで、色材塗膜内の光束の挙動を明らかにすることで、この関係性を導出します。
(オリジナルのクベルカ・ムンクの理論は星間の光の伝播にまつわる理論として開発されました。
このため、この理論を色材塗膜内の着色剤間の光の挙動に応用するにはかなりの理論の飛躍があるようです。)
 
クベルカ・ムンクの計算は表面の反射率を、色材塗膜内の微小な厚さにおける、色材の吸収係数、および散乱係数の垂直方向の成分のみを検討することで予測算出する手法で、原理的には以下のような考えで導出されます。
 
 3801
 
3802
 
Kdxはdx層における吸収によって失われる光量で、Sdxはdx層における散乱によって失われる光量です。
ただし,一方の光束から散乱によって失われた光量は、反対の光束として加算されることになります。
また,ixの光束がマイナスになるのは上向きのxを正とするため、
 
(1)の両辺をixで割って
3803
 
(2)の両辺をj_xで割って
3804
 
ここで、3805 です。
 
なぜなら、
 
3806  であるから、両辺を微分して、
 
 3807
 
となるからです。
 
これを、式(3)(4)に代入して、
3808
 
(5)と(6)の両辺を加えて、
3809
ここで、3810として、
3811
 
両辺をrx倍して、
 3812
 
3812 02 として、
基材表面 x=0での反射率をRg、塗膜の厚さをXとし、その色材表面反射率をRとするとして、(7)の両辺を積分して、
 
3813
 
ここで3814 とおくと
3815 となり、(8)は
 
3816
 
と置かれ、
 
3817
 
となります。
両の積分を実行して、
 
3818
m 、n をもとに戻すと、
3819
 
 

◆膜厚∞時の反射率の導出

完全不透明な塗膜における表面の反射率は膜厚∞時の反射率となります。
色材膜厚X→∞とすると、(9)の右辺は∞となるため、この等号式を満たすには、
左辺分母で3820となる必要があります。
つまり、
3821
 
3822なので、
 
膜厚∞時の反射率は
 
3823
となる。
 
また(10)両辺の逆数をとって、
3824
 
(10)と(11)の両辺を加えて、
3825
 
左辺、右辺を逆にして、
3826
 
ゆえに、吸収係数、散乱係数の比K/Sと膜厚∞反射率R_∞の関係は、
 
3827
 
となります。
これが不透明膜におけるK、Sと反射率の関係になります。
 
 

◆膜厚x時の反射率の導出

ここで、塗膜厚がxの際のK、SとR(x)の関係を求めると、
(9)より、
3828
 
ここで、3829 とし、両辺でeを底とする指数をとると、
3830
 
両辺をeSxbで割って、分母を移行すると、
 
3831
 
開いて、
3832
 
移行して、
3833
 
両辺を3834で割って、
 
3835
 
 
3836なので、
 
 
3837
 
となります、
 
3838なので3838 02 つまり3838 03 なので、
 
膜厚x時の反射率は、
3839
 
と求められることになり、これが塗膜厚x時のK、SとR(x)の関係式となります。
 
ここで、
3840
 
となる。
 
 
 
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