クライアントの厳しい品質要求に応える

機械の状態診断で活躍するeXact(株式会社 金羊社)

 

高度な品質が要求されるエンターテイメント系パッケージ

 株式会社金羊社は今年3月、エックスライトの「X-Rite eXact」(エックスライト イグザクト)に色差や濃度の計測器を全面的に切り替えた。エンターテイメント系のパッケージを主力に展開していることから、同社の品質管理の体制は非常に高度で常に更新を続けている。印刷機全7台に配置されたeXactは同社の品質管理体制を一層強化するソリューションとして期待されている。
 金羊社が手掛けるエンターテイメント系のパッケージは音楽、映像、ゲームなど商品の顔になる。このため、わずかなピンホールでも印刷事故として扱う厳格さで、クライアントが満足する品質を提供している。品質要求に徹底的に向き合う一方で、アーティストの作品である以上、クライアントからの品質要求は高い。とくに主観的に判断される「色」は、クライアントをはじめ、自社の営業担当者によっても評価が異なるケースが多い。
 同社御殿場工場製造部印刷課の荒木義勝課長は「色は明かりでも見え方が異なります。現場で良いと思ったとしても事故として判断されることもあり、それは色の認識の違いが大きいですね。営業担当者がお客様に納品する前に、営業活動に支障が生じる可能性があるとして事故と判断することもあります」と述べる。
 eXactを導入したきっかけは、数値で色を管理するクライアントがeXactを採用したことだった。そのクライアントは責了紙と若干見え方が違っていても、ベタ濃度で±0.08以内に収まっていれば納品可としている。「責了紙は本機校正もあればデジタル印刷もあります。それらを数値で一定内に収めていくことで効率を図るわけです。したがって、当社にも数値の裏付けが求められます。eXactを導入したのは、同じ機械を使った方がより精度が高くなるためです」。
 金羊社が導入したeXactはカラータッチスクリーンのディスプレイで直感的に操作。また、1回の測定でM0、M2、M3を測定する。使用に際してはソフトウェアとの接続を必要とせず、キャリブレーション機能、仕様、データ取り込みが可能で、しかもBluetoothに対応しており、パソコンにケーブルで接続しなくても測定結果を送ることができる。このため、現在使用している機器からの移行がスムーズになるばかりでなく、測定作業が効率化する。
 同社のeXact採用は濃度、色差を同時に測定できることも決め手となった。また、カラーマネジメントシステムを運用する上で利用していた濃度計7台、分光光度計2台は導入後、10年以上経過しており、更新時期に達していたことも後押ししている。

 

基準値を維持するため機械の状態を常に最高に

01 同社の色基準は基本的にベタ濃度と50%のドットゲインで管理されている。ドットゲイン値は基準値に対し、±3%以内。特色についてはΔE値が用いられている。このため、毎日、機械のコンディションを測定して記録。色が合わなかったり、事故が生じたりした場合、その記録を元に原因を追求する。
 ここ数年は機械コンディションを安定させるためにメンテナンスを徹底。季節ごとの環境の変動にはトーンカーブ値を調整しながら常に一定の品質を保持している。
 これら機械の状態はeXactによる測定値から診断している。同社生産管理部品質管理課兼御殿場工場管理部品質管理課の吉田英俊課長は「機械が空いたときにチャートを印刷してオペレータから提出してもらいます。eXactでそのチャートを測定した結果を管理職にフィードバックして機械を見てもらいます。不具合があれば管理職がトーンカーブの変更を指示します。本社では御殿場工場で刷り上がった製品が責了紙と差異があればeXactで測定しています」と品質管理方法を説明する。
 eXactで測定した結果は、デジタル機器用の近距離無線通信Bluetoothで吉田課長のパソコンに取り込まれ、自社で制作した管理フォームに自動的に取り込まれる。これまで手作業だった入力業務は不要になり、グラフ等も自動で作成しているという。
02 同社御殿場工場製造部印刷課の佐々木義雄氏は、「測定値が全て見える化されたことで今後は即座に情報が共有され、現場間の話が早くなると思います。トーンカーブを変更する場合、今までは1週間の数値の傾向を追ってから判断したり、指示したりしていました。皆から機械のコンディションが見えるので、変動値をコントロールする時間が短くなります」と評価する。
 eXactは機械全台に配置されたため、測定待ちが解消された。また、同じ機械を使って測定することで、色管理の認識や課題が各オペレータに共有され、品質管理の改善が必要となった場合、現場レベルでの対応や浸透が迅速化されている。
 荒木課長は「カラーマネジメントシステムがすでに構築されていますので、機械同士のマッチングはほぼできています。eXactはそれら機械の変動や状態を見るモノサシになっています」と位置付けている。
 同社が取得しているオフセット印刷に関する国際規格「ISO12647-2」の更新は再来年。更新時はeXactの測定値を使うことになる。エンターテイメント系のパッケージの品質要求は厳しいが、「お客様の要望を実現するために社内に色々なルールが生まれてきました。現場はお客様に育てて頂けたと思っています」(同)と、ますますの現場力強化に向けてeXactへの期待を膨らませている。

株式会社金羊社
東京都大田区鵜の木2-8-4
http://www.kinyosha.co.jp/




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