顧客が望む品質を提供し続ける

エックスライト『IntelliTrax2』ベースの自動色調システム『IntelliPRESS』を導入(株式会社 エイエイピー)

 

複合的に広告・宣伝をサポート “お客様の困りごと”を解決

 株式会社エイエイピー(静岡県静岡市)は、印刷の主力生産拠点であるグラフィック事業部(静岡県函南町)に、エックスライト社のカラーバー自動色調計測システム『IntelliPRESS』を導入し、品質管理体制を強化するとともに、生産性を向上させている。

 同社は熱海市でホテルを経営しながら旅館経営を研究する「旅館研究会」を立ち上げていた創業者の故・土屋金康氏が、1953年に「熱海美術印刷社」として創業。ホテル・旅館の施設や料理、サービスを伝える宣伝媒体として印刷物に着目したのが創業の契機だった。やがて業容拡大とともに一般広告業務へと進出。1968年に株式会社エイエイピーに改称し、印刷物製造にとどまらず、宣伝・広告へと領域を広げていった。

 現在ではWeb・IT・フォト・映像部門を独立させた株式会社プロフィックス、インテリアデザイン・建築設計の株式会社ミュゼオ、観光・レジャー産業の経営コンサルティングを手掛ける株式会社リョケン、飲食関連フランチャイズ事業のパレッティーを加えたエイエイピーグループとして各社が連携しながら事業を展開。営業部門が持ち帰った。

 顧客ニーズを形にするのは生産を担うグラフィック事業部である。「お客様が困っていることをお手伝いするというのが当社の事業ドメインです。工場も印刷だけでなく、各種コンテンツ制作から事務局代行、倉庫業務まで、一貫して提供できる体制を整えています」(同社グラフィック事業部事業部長・稲木龍司氏)と、複合的に広告・宣伝をサポートしている。

 商品やサービスを告知する広告・宣伝印刷物は総じて品質要求レベルが高い。その中でもとくに厳しい要求に関しては製版、印刷、加工、発送の各工程を横断するプロジェクトチームを立ち上げ、様々な視点から要求を分析して生産手段を設計する。

エイエイピーグラフィック事業部の稲木事業部長(左)と秋山次長  「高い品質といっても、お客様のニーズに対し、製作側のポイントがズレていては、良い商品を納めることはできません。例えば印刷物を作る際、“赤みを強調したい”というニーズに対し、単にインキの盛り加減で印刷したとします。色が合っていたとしても、インキ濃度や膜厚等のバランスが崩れた印刷物は、それら負の要因で製品品質を落とす事になります。一貫したラインを持つ弊社では、ニーズに応じて製版調整を行い、正常な環境・条件で正確な印刷再現を目指しています。製版、印刷の両部門が色の基準値をもとに品質を管理してこそ、安定品質に繋がり、継続的に良品を提供していけると考えています」(稲木氏)

 

菊全印刷機に設置 作業時間が短縮、機械稼動率が向上

 同社の印刷設備は菊全ワイド4色機、同5色機、 菊全判5色機、菊半裁判5色機の計4台。3社のメーカーの印刷機を保有しており、このうち菊全ワイド機2台にはLED-UV乾燥装置が搭載されている。これらの印刷機は『Japan Color』を基準に管理されている。エックスライトの計測器は、各印刷機に備えられ、『IntelliTrax2』も最新機として同社の品質管理を支えている。

 同社では、Japan Colorによる色管理を確立し、2011年に日本印刷産業機械工業会が制定する『Japan Color認証』を取得している。しかし、濃度から色空間のLabによる色管理に切り替えるに当たっては試行錯誤の連続だったという。

 「Lab、ΔE って何?というところからのスタートでした。早くからLabによる色管理を吸収できた若手に比べて、ベテランは苦戦していましたが、操作性の良いエックスライトの機器がベテランのオペレーターをサポートしてくれました」(グラフィック事業部次長・秋山直樹氏)。

 同社は色管理にエックスライトの機器を有効に活用してきた。現在もIntelliTrax2のほか、分光光度計『eXact』、『i1』を活用。エックスライト製品への信頼は高い。今では印刷機、プリプレス機器のオペレーターは数字をもとにドットゲイン、トーンカーブなどについてコミュニケーションが取れるようになり、現場の技術レベルが格段に向上した。

 このほど導入した『IntelliPRESS』は、印刷物に印刷されているカラーバーを自動測定する印刷機の自動色調システムで、これにより印刷準備時間を削減する。また、OKシートの指定後、印刷機の状態がOKシートからどのように変動しているかをモニターにグラフで表示する。オペレーターは印刷中に抜き取り紙を測定することで、稼動している印刷機の状態を把握。自動で変動値が適切に補正される。

 同社では、IntelliPRESSの導入前は印刷機メーカーの自動計測システムを利用していたが、2台の印刷機オペレーターが1台を共有して利用。印刷前の色決め時、抜き取り検査時には自動計測システムが設置している場所にそれぞれのオペレーターが足を運んでいた。

 「IntelliPRESSが印刷機に設置されてから動線がかなり減りました。また、測定結果がすぐに印刷機に反映されるようになり、結果的に準備時間が1ジョブ当たり3分から5分短縮しています」(秋山氏)

 近年はとくに多品種・小ロット化が進んでいる。ジョブ数の増加に伴い、色合わせの回数も増えており、機械稼動率低下の要因にもなっていた。

 同社の工場は2交替制で昼夜稼動し、印刷機1台当たり1日20ジョブをこなしている。IntelliPRESS導入後は、1台当たりの準備時間が1日で約1時間半も短縮した。稼動率が向上したことで、ジョブのアウトプット量も増えている。

 加えて色決め作業時には、各インキの濃度がターゲットの数値に近づいた状態でスタートできるようになった。これによりヤレ紙の削減にも寄与している。  「これまでは機種ごとに基準を設けて、Japan Color標準色に合わせてきましたが、IntelliPRESSが設置されたことで、オペレーターが経験をもとに機種の違いによる誤差を考慮しなくても良くなりました」(秋山氏)

 秋山氏は印刷を厳しく管理している同社が、異なる印刷機メーカーを利用する理由として「機械の導入時に、現場からの意見も聞きながらあらゆる角度から性能や機能を検討し、その時にベストと判断した機種を選択したためです」と述べる。IntelliPRESSについても競合他社の製品と徹底的に比較。その結果、「今の段階で一番優れていたということです」と評価した。

「IntelliPRESS」はオールインワンの自動色調システム

 

変化する品質へのニーズ デジタル印刷の品質管理を見据える

計測した結果はモニタ上にグラフで表示される  刻一刻と品質のニーズは変わっている。稲木氏はその変化について「最近の画像調整依頼に“インスタっぽく”という要求があります。メリハリのついた写真投稿映えするような画像を求めるのです。実物の色とはかけ離れていますが、若者を集客するにはそうした画像も必要になっています。私たち製造側も世情の変化を捉えて効果的な提案ができ、結果に繋げられなければ、お客様に満足して頂けません」と述べる。

 今後、グラフィック事業部では変化するクライアントのニーズに応えるべく、デジタル印刷やデジタル校正のカラーマッチングの精度を高める意向である。「直近の課題はIntelliTrax2の性能を最大限に引き出すこと。それを品質・生産性の向上に繋げます。その先にはキーレスオフセットやインクジェットデジタル印刷機も視野に入れていきます」(稲木氏)と、将来を見据えている。

株式会社エイエイピー
静岡県静岡市駿河区森下町3-6
http://www.aap.co.jp/




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